12星座の12の物語
12星座には、魂の成長の一連の流れ、という考え方があり。牡羊座で生まれた魂は、魚座で無へと回帰することで、終結に至ります。12分割された12星座のマンダラには、人間の生涯の縮図としての意味が込められているのです。
△ 牡羊座(守護星:火星)
牡羊座は、12星座のはじまりであり、春分点を起点としています。たとえていうなら、生まれたての赤ん坊の状態が牡羊座です。そのため、まだ自分という自我を獲得していない段階といえます。牡羊座の目標は、真の自我を体験のなかで獲得していくことにあります。そのため無謀な冒険や何かに果敢に挑戦していく中で、自分自身である、ということを実感することができるはず。生まれたばかりのエネルギーの塊である牡羊座にとって、模倣となるものは何も存在していません。だからこそ、これまでに類を見ないような新しい何かをこの世に体現することが使命になっているといえます。戦場で先頭に立って旗を振るような、英雄的なことをやってのけるのが、牡羊座の人生にふさわしい生き方なのです。
△ 牡牛座(守護星:金星)
牡牛座は、牡羊座の次の星座ですから、生まれたばかりの赤ん坊が、五感を通じて世界を知覚する段階に至ります。赤ちゃんにとって、欲しいときにミルクが与えてもらえること、生命が保護されている、ということが、生きていくうえでの絶対条件です。そのため、牡牛座の人は、物にこだわり、快適な環境を必要とすることでしょう。それは、牡牛座が喜びを感じる基準が、物質的な感覚にとらわれているためでもあります。しかし、この世を美しく彩ることにかけては、牡牛座の右にでる星座はありません。また、守護星の金星は、牡牛座に美意識と調和性を与えています。とくに、音楽、芸術方面で、天才的な感覚を発揮したり、才能を示すことが多いのです。植物を育てると、情緒性が豊かに育まれるのも特徴です。
△ 双子座(守護星:水星)
双子座は、コミュニケーションの星水星の守護を受けます。自分以外の人と交流していく段階に入るため、知的好奇心や話術の才が発達してきた状態を示します。自分以外の他者へと関心が向かうため、人と競うことを意識しやすいでしょう。そのため、兄弟を表すとも言われています。親の愛情を獲得するために、兄弟より優位に立たねばならない、という意識が双子座の出発点になっているからなのです。また、双子座は、知識欲が旺盛で、常に新しいことを学んでいたい、という欲求が強くなります。情報を収集したり、伝達していくような職種につくと、その才能を如何なく発揮していけるはず。双子座にとっては、得た知識を人に伝えていくことこそが、使命を達成する道になります。
△ 蟹座(守護星:月)
蟹座は、月の守護を受けます。月は太陽の反射を受けて輝く星です。そのため、蟹座は模倣の性質を持っています。子供が両親の真似をしながら、生きる術や常識を身につけていくように、蟹座の性質は模写することにあるのです。蟹座は記憶力に優れているとも言われるのは、そのためかもしれません。しかし、蟹が堅い甲羅で覆われているように、防衛心が強く、変化を極端に恐れることもあります。蟹座の人は、家族や身近かな人間関係を大切にしていきますが、こうした、安心できる場を築くことが、月の母性を発揮するためには必要だからなのでしょう。また、誰もがなじめる感覚を大事にする蟹座の性質は、人に安心感を与えます。人との共感や共生していくことに意義を見いだしていきますが、守るものがあってはじめて、蟹座に強さが備わるのです。
△ 獅子座(守護星:太陽)
獅子座は、太陽に守護されます。太陽は自ら輝く星です。そのため獅子座は、自分が光輝きたい、という欲求を根底に持っています。無邪気に自分を表現していくことで、私は私である、という自己確認をはかろうとすることでしょう。自己主張も度を越せば、お山の大将になりかねませんが、獅子座にとっては、自分のシマの中で、他の存在に力を委ねることは、死を意味するといっても過言ではありません。なぜなら、何ものにも左右されない、自我の獲得こそが、獅子座のテーマになっているからなのです。知らず知らずのうちに敵を作りやすい傾向がありますが、逆境にあったときこそ、獅子座の本質的な強さが発揮されます。どんなことがあっても、決して自分自身を見失うことがない獅子座は、自分のやりたいように生きることが使命なのです。
△ 乙女座(守護星:水星)
乙女座は、前半6星座の最後の星座です。牡羊座からはじまった個人としての成長の流れは乙女座で完成を迎えます。そのため、自分の能力を最大限まで高めたい、そして人の役に立ちたい、という願いを強く抱いているのです。守護星の水星は、緻密な作業や技術を習得することに長けた性質を与えています。乙女座には、何の役にも立たないことや、無駄を嫌うような、潔癖で頑固なところがありますが、これは、乙女の処女性の故かもしれません。人の上に立つよりは、二番手で有能なはたらきぶりを見せる特徴もあります。往々にして、控え目な傾向がありますが、自分のやりかたには頑なにこだわるでしょう。天秤座の他者と公平に向かい合う視点を獲得していないため、考え方がひとりよがりになりがちですが、実務能力には長けています。
△ 天秤座(守護星:金星)
天秤座は、秤が示すように、自分と他人、という視点を同時に持ちます。そして、善と悪、陰と陽、男と女など、相反する二つのものを同等に扱うことがテーマになっているのです。牡羊座からはじまった個人の成長の旅は、天秤座で、他人を通して自分を映し出していく段階に至ります。そのため、天秤座は自分の意見より先に、まず相手の意思を尊重しようとするでしょう。結果的に人に振り回されたり、自分の意志と、他人の意思を混同しやすい傾向があります。しかし、共同関係を築いていく上では、天秤座の公平さはなくてはならないものなのです。また、守護星の金星は天秤座に独特の美的センスを与えます。デザインや装飾方面において才能を発揮しやすいでしょう。
△ 蠍座(守護星:冥王星)
蠍座は、天秤座で自分と、他人、という視点を獲得した後に、相手との一体化を求めていく段階に至ります。そのため、自分と相手との境界を突破して同化したい、という欲求を強く抱いているのです。しかし、私たちに自我が存在する以上、完全に相手と同化することは不可能です。相手と同化するためには、自我を捨て去らねばなりません。突き詰めれば相手に呑みこまれるか、自分が呑みこむか、という極端な境地を経験することになりますが、蠍座は、一度はこの境地を通り抜けることになるでしょう。その結果として、相手も自分も殺すことなく共生していくという、新しい視点を獲得するはずです。また、守護星の冥王星は蠍座に並外れた集中力を与えています。ひとつの道を極めたり、熱中できる何かがあると、才能が開花しやすいでしょう。
△ 射手座(守護星:木星)
射手座は、射ての弓矢のごとく、目標に向かってまっすぐに進んでいく力を表しています。守護星の木星は、拡大と発展を意味しているため、射手座の意識はどこまでも広く、常に何かを求めて彷徨うことを好むでしょう。自由を愛し、束縛を嫌いますが、射手座は、自由であってはじめて、生き生きとしてくるのです。また、思想や理想を追求し、学問の世界に、自分の世界を見出す傾向もあります。そうした、非現実的な理想郷を心のどこかに抱いているからなのでしょう。基本的には楽観的ですから、どんな境遇に陥ったとしても、何とかなるさ、という気楽さを持って乗り越えていけるはずです。因習にとらわれず、高い精神性を備えているため、常に新しい知識に触れていると、のびのびとした個性が生かせるでしょう。
△ 山羊座(守護星:土星)
山羊座は、射手座で得た知識を現実化させていく段階を意味します。射手座で存分に自由を味わったために、次は、社会のなかで、具体的な力を発揮したい、という欲求が強まるのです。守護星の土星は、制限や束縛を意味していますが、この影響は山羊座に現実的な視点を与えます。そのため、山羊座は時間や物質という限定されたこの世のなかで、何を優先するべきか、というものさしを備えているのです。物質的な価値観を重視するため、地位や成功を求める傾向もありますが、夢を実現させるためには苦労や努力をいとわないでしょう。シビアでクールに思われがちですが、山羊座は、人生が無から始まり、また無へと回帰していくことをよく知っているからこそ、今を大切にできる成熟した人でもあるのです。
△ 水瓶座(守護星:天王星)
水瓶座は、革命の星、天王星の守護を受けます。牡羊座からはじまった個人の魂の目的は山羊座で社会的な完成を迎えました。次の段階に至る水瓶座では、それら過去の価値観を超越して、新たな未来を築いていくことを目指します。因習や常識にとらわれず、あくまで新しい世界を構築していくことに集中していくことでしょう。水瓶座の理想は、時代を先取りしているものが多いため、人から理解されないことも少なくありません。知らず知らずのうちにアウトサイダーな生き方になっていることも。しかし、守護星の天王星が示すように、水瓶座には、革命を起こす力が備わっているのです。従来の価値を無視して、新たな価値をもたらすことこそが、水瓶座の使命といえます。
△ 魚座(守護星:海王星)
魚座は、12星座最後の星座であり、牡羊座から出発した魂が一連の成長過程を終えて、再び無意識へと回帰していく段階に至ります。守護星の海王星は無意識やイマジネーションを表します。そのため、魚座には言葉にできないような独特の世界を抱いている人が多いのです。魚座は、自他の境界をとりはらい、すべてと一体化していくような没我的な精神が強いのも特徴です。このため、人の痛みにも敏感で、同化しやすい傾向もあります。こうした自己犠牲的な性質は、芸術や福祉などの分野で生かせば、特殊な能力として発揮されるでしょう。魚座は、すべてが無から生まれ、そしてまたイメージの海へと帰していく最終の砦の座であるがゆえに、イメージの世界を必要とするのです。
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